第1045回経営者モーニングセミナー

2021年1月19日(火) 城山ホテル鹿児島にて

講話者

法人局 法人スーパーバイザー
株式会社オーエーメディア福岡
中尾 達弥 氏

テーマ「本を忘れず末を乱さず」

コロナ禍の中、福岡から鹿児島入りすることにギリギリまで迷ったと語られる佐世保出身の中尾法人スーパーバイザーの講話です。

OA機器販売に携わり33年。
営業を始めたばかりのころ、進学塾にコピー機を売り込み、ライバル会社と競う中、1週間無料で貸し出しをしたそうです。その間1日3回の訪問を6日間続け、行くたびに白いウェスで拭きあげながら「紙つまるなよ」とコピー機に声を掛けていたとのこと。

1週間後、塾長は長年の付き合いと価格の安さからライバル会社のコピー機を選んだのですが、これまでの中尾氏の行いを見てきた5人の女性事務員から「中尾さんのコピー機にしてほしい」と嘆願され、大逆転で当時200万円ほどしていた中尾氏のコピー機を導入してもらえたそうです。
それから営業が楽しくなり、今に至っているとのこと。

また福岡に転勤になった時は、1日100件~200件飛び込み営業をしたが、「いらん、帰れ!」と言われ続け、時には名刺を破られたこともあったそうです。しかし名刺を破った社長に「なぜきれいに破れなかったかわかりますか?」と紙の特性の話をしたら、話が弾んでその流れでコピー機を即決してもらえ、それが福岡での最初のお客様だったそうです。

倫理法人会に入って13年間は全く参加していなかったと言い、その間親会社が倒産し1億8千万の借金を背負うことに。親会社へ恨みが積もる中、妻の言葉に助けられ苦労しながらも返済し終えたが、今振り返ると倫理を学んでいたら、独立を後押ししてくれた親会社の社長へ感謝の気持ちを持って乗り越えられたのにと話されました。

”本を忘れず”の「本」は親だったりきっかけだったりする。その一つのメッセージとして最後に紹介された「迷惑ばかり掛けていた自分をいつも”お前はすばらしい”と応援してくれていた亡き母。実は生みの親でなかったことを知った時、それまでの母の深い愛に感謝してもしつくせなかった」と言う若き経営者の話には、胸が熱くなりました。